ゆるふわクオンツの日常

ファイナンスで出てくる確率過程の計算

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これって計算できったけ?

って悩まないようにとりあえずまとめていきます(主に停止時刻系)

今後も継続的に加筆していく予定です.

マルチンゲール

停止時刻系

  • 停止時刻としては、first hitting time(到達時刻)が有名であるが、他にも滞在時間や脱出時間などがある。

  •  E[1_{\{ f(t,W_{t}) \geq 0\}}]=P(f(t,W_{t}) \geq 0)

    • インディケーターは E[(g(t,W_{t}))^{+}]= E[1_{\{ g(t,W_{t}) \geq 0 \}}g(t,W_{t})]の変形時によくでてくる.
  • ドリフト付きブラウン運動の最大値 M_{T} = \max_{0 \leq t \leq T} \{ \mu t+W_{t}\} の密度関数は f_{M_{T}^{\mu}}(x)=\frac{2}{\sqrt{2πT}} e^{-\frac{(x-\mu T)^{2}}{2T}} -2\mu e^{2\mu x}\Phi(\frac{-x-\mu T}{\sqrt{T}}) で与えられる.

    • これの証明はかなり面倒なので気持ちが乗った時に加筆します...
  • ドリフト付きブラウン運動 \mu t+W_{t} が初めて a に達する停止時刻 \tau_{a} の密度関数は f_{\tau_{a}}(t)=\phi(\frac{a-\mu t}{\sqrt{T}})(\frac{a}{ t^{3/2}}) で与えられる.

    • これは P(\tau_{a} \leq t)=P(M_{T} \geq a)を時間で微分して求められる.

    • また、この分布は逆ガウス分布と呼ばれる.

  • ドリフト付きブラウン運動 \mu t+W_{t} の停止時刻 \tau_{a} ラプラス変換 E[exp(- \lambda  \tau_{a})] =exp(-a(-\mu+ \sqrt{\mu ^{2} + 2 \lambda} ))で与えられる.

Jump過程系

  • 確率変数 \tau_{i}が指数分布 f(\tau_{i}) = \lambda exp(-\lambda \tau_{i})に従い,これにより点過程A = \{ \tau_{1},\tau_{1}+\tau_{2},... \}を構成する.

この点過程Aに対する計数過程N(t)=Count(x_{i} \in [0,t ] | x_{i} \in A )ポアソン過程と呼ばれ, f(k)= \frac{(\lambda t)^{k}exp(-\lambda t)}{k!} (k=0,1...)ポアソン分布に従う.

  • 指数分布の性質より,ある会社の生存確率 P(\tau_{i} > t)=exp(-\lambda t)で与えられる.

  • これは、フォッカープランクのForward Equationから導出するのがシンプル.

  • ポアソン過程において,強度\lambdaが確率的に変動する場合,Cox過程といい,確率密度関数 f(k)=\frac{E[ (\lambda t)^{k}exp(-\lambda t)]}{k!} となる.

    • 強度が確率的な場合は,ある会社の生存確率 P(\tau_{i} > t)=E[exp(-\int_{0}^{t}\lambda(u)du )] で与えられる.

今回の関連書籍

ファイナンスの定番教科書ですね。

これの前の版を持ってたのですが、計算練習が多く載ってた気がします。